† Lの呪縛 †
テーブルを挟み、向かい合う二人。


幸せそうな顔をして食事を進めるシャロン。


質素なつくりの部屋。


余計なものは何一つ置いていない。


だが生活感に溢れている。



「ネヴィル」

「何だ」

「一緒に食事をしましょうよ。 二人でとる最後の食事なんだから……」



驚いた顔をするネヴィルに対し、シャロンの表情は穏やかだ。


雰囲気も落ち着いていて柔らかい。



「私はもう一人で平気よ」



そう言うとシャロンは再び食事の手を進めた。


ネヴィルはスプーンを手に取りスープに手をつけた。


シャロンの家には幾度となく訪れているネヴィルだが、食事に手をつけたのは初めてだった。


静かな食卓。


会話はない。


それでもギスギスとした雰囲気はなく、温かみに溢れている。


食事を終え、シャロンは食器を片した。


慣れた動作で手際良く片していく。


付近を絞る手つきも、テーブルを拭く動きも、ぎこちなさは微塵もない。


シャロンに気付かれない様、ネヴィルは口元に薄っすらと笑みを浮かべた。






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