† Lの呪縛 †
「何があった」

「今は至る所で魔女狩りをしているわ。 私も魔女の疑いをかけられてここに連れて来られたの」

「魔女だと!? 馬鹿馬鹿しい。 今助けてやる」



シャロンは首を横に振った。


手足につけられた鉄の鎖が小さくジャラジャラと音を立てる。



「私の命はもう、そう長くはもたないわ」

「何を言って……」

「ふふっ、自分の事だもの……分かるわ」



人間の命に触れる事の多いネヴィル。


シャロン以上に分かっていた。


だが、認めたくなかった。



_助けたい。_



その想いで胸がいっぱいだった。


契約もなしに人間の命を伸ばす事はルール違反。


大罪となる。



「ねぇ、ネヴィル……私と契約をしてほしいの……」

「契約? 何を言っているんだ……そんな事をすればお前の命は……」

「どうせ尽きるこの命……愛する者の為に使いたいの」

「愛する者……?」

「そう、愛する子供たちの為に使いたい」



ネヴィルは耳を疑った。


ここで漸くより強い確信へと変わる。


シャロンへの愛が。


そしてあの日、何故シャロンに言われるがまま別れてしまったのかと、後悔した。





< 210 / 260 >

この作品をシェア

pagetop