† Lの呪縛 †
骨だけではない。


肌には切り傷、爛れ、痣ができ、見るからに酷い有様だった。



「オリー、顔を上げてちょうだい」



肩を揺らしながら顔を上げたオリヴィアの顔は涙と鼻水でグチャグチャだった。


口を開くも言葉よりも先に嗚咽が出てしまう。



「私はもう一緒には居られないけ……」

「ッッ……イ、ヤ……ッ……!」

「お母さんの言葉を聞いてちょうだい。 これから先、きっと素敵な出会いがたくさんある。 だけど、このままでは貴女はきっと生きてはいけない。 だから少し眠りについて、そして、自分だけの幸せをみつけなさい」



オリヴィアは激しく首を横に振った。


ネヴィルは表情一つ変えずに二人の様子を見守っている。


だが、ギュッと握られた手のひらには血がにじんでいた。



「ネヴィル、オリー……オリヴィアは貴方と……」

「いい、分かっている」

「そう……こんな形になってしまったけど、こうしてみんなで会えて良かったわ」



言い終えたシャロンは表情を暗くした。


オリヴィアの顔を見て、気まづそうに口を開いた。



「キースは……?」

「見付けた時にはもう虫の息だった。 もう息絶えているだろう」





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