† Lの呪縛 †
オリヴィアの泣き叫ぶ声が冷たい牢の中に響き渡った。


床に崩れ落ち、涙が零れおちる。



「オリー、落ち着いて。 人が……」

「問題ない。 ここに来るまでにある程度始末してきた」

「もう貴方にはそんな事してほしくなかったのに……ごめんね」



悲しげに目を伏せるシャロン。


ネヴィルは床に膝をつき、シャロンの頬に触れた。


見つめ合う二人。


オリヴィアは泣き腫らした顔でボーッと二人を見つめている。



「こんな姿見られたくなかった」

「いつどんな時もどんな姿でも愛しいと想う気持ちは変わらない」

「ふふっ、いつからそんな事言えるようになったのかしらね」



残酷な光景、そして状況は変わらない。


それでも三人を包む空気は何処か穏やかで、柔らかかった。



「オリー、私をギュッと抱きしめてくれる?」



オリヴィアはゴシゴシ涙を拭い、ボロボロになったシャロンの体を抱きしめた。


今にも壊れてしまいそうな体を優しく包み、母親の温もりと匂いを一生懸命感じ取った。






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