† Lの呪縛 †
オリヴィアは眉を下げ、目を伏せた。



「私は誰のところにも行かないよ。 ううん……行けない。 だって私の体は普通じゃないもの……その事はノエルお兄様もよく知ってるでしょ? お父様もお母様もノエルお兄様も……みんなが歳をとっていく中、きっと私だけが取り残されて、最後は私は一人ぼっちにっ、なって……っ」



オリヴィアの声は段々震えていき、堪えていた涙がとうとう零れ落ちてしまった。


涙を拭おうとしたオリヴィアの手をノエルが掴み、体を引き寄せた。


部屋の中で二人きり。


言葉にならない程の想い。


その想いを伝えようとすると自然と腕に力が籠る。


オリヴィアもノエルの背中に腕を回し、背中をギュッと握った。



「ごめん……ごめんよ、オリヴィア」

「また前の様にノエルお兄様と一緒にいたい。 色々お話ししたい」

「あぁ、たくさん話しをしよう。 ずっと一緒にいる。 オリヴィアが僕の傍に居てくれる限りずっと、ね」




オリヴィアは更に手に力を籠め、ノエルに体を預けた。


漏れそうになる声を堪え震える体。


ノエルはオリヴィアの頭に唇を落とした。


オリヴィアが落ち着くまで、愛しくて堪らないオリヴィアの体を抱きしめていた。






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