† Lの呪縛 †
「オリヴィアはどうなんだい?」



最早これ以上クレアに話をふるのは危険だと感じたダグラスは、オリヴィアに話をふった。


突然自分に話をふられたオリヴィアは、飲んでいた紅茶で咽そうになった。



「私は……よく分からない。 考えたこともなかったから。 それに、カーティスとはお友達になっただけだよ」

「オリヴィアは今まで恋をした事はないのかい?」

「恋……」



ティーカップの中を見つめ、考えこむオリヴィア。


まるでティーカップの中には過去が詰まっているかのように、ジッと見詰めている。


ノエルは話に興味がなさそうな素振りを見せながらも、耳に神経を集中させている。


オリヴィアは顔を上げダグラスに視線を向けると、ぷっくりした唇を動かした。



「した事ない。 だから、恋がどういうものなのか分からない。 恋をするとどうなるの?」



オリヴィアの純粋な疑問にダグラスもクレアも優しく微笑んだ。


まだ知らないことが多いオリヴィア。


けれどそれを恥じることなく素直に口にする。


その素直で純粋なところが、更にオリヴィアを愛らしく見せる。





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