愛言葉
「じゃあ、昼休みね」
「うん、バイバイ」
A組の前で別れた俺ら。
いつもより安心して結依を見送れる。
だって、朝、嫌でも離れられないなんて、嬉しい事言ってくれたしね。
ごきげんで教室に入った俺。
そんな俺に気づいたのか、石沢が声をかけてきた。
「んー?何だかごきげんですねぇ~」
「あ、石沢おはよっ!」
「お前は…ほんっと可愛いヤツだな」
石沢に髪の毛をワシャワシャと撫でられた。
「うわっ!や、やめろよ!」
「あれ~?真咲くんと石沢ジャレてるの?可愛~」
女子にそう言って笑われた。
可愛いなんて、嬉しくない。
真祐はいつも、かっこいいって言われてるのに、俺は可愛いばっか。
双子なのになんでだ?
男なんだから、かっこいいって言われたいじゃん…。
「真咲、口尖ってるぞ?なに拗ねてんだよ?」
「べっつにぃ~」