愛言葉
「…無理に、笑うなよ。逆に辛い」
「無理なんか…ちがう……ひゃっ!?」
いきなり、目の前が真っ暗になった。
背中には真祐くんの腕が回っていて…私、真祐くんに抱きしめられてる?
「好きになれ。俺を、好きに…俺が守ってやる。俺が、笑わせてやる。」
「ま、ひろ…くん」
「さがみ、」
「真祐くんっ!」
私は、思わず真祐くんを押し放してしまった。
「あ、ごめ…」
「ごめん。行こうか、遅刻する」
ドキドキ、した。
まだ、真咲にも抱きしめてもらったことなかった、のに…。
またポロポロと涙が零れ出した。
真咲と手を繋ぐとき感じるぬくもりはすごく優しくてずっとそうしていたいと思う。
だけど、真祐くんに抱きしめられたとき、すごく熱くて…耐えられなくて突き放してしまった。
真咲、やっぱり私、あなたじゃないとダメだよ―――。