噂の真相
ベッドに腰を下ろすと、ひなとの指がアタシの頬に触れる。
煩い心臓をどうにかしたい。静まれ、と心で叫んでいると、彼がニヤリとした。
「緊張してんの?」
「別に」
「少しぐらいしてよ」
クスリと笑ったひなとは、やっぱり綺麗だ。そのうち指は口内へと滑り、アタシの舌を撫でる。
「舐めて」
テレビでは聞くことのない台詞が耳を掠める。これは、本当にひなとなのだろうか。
唇が重なると、その後は無我夢中だった。
──でもなぜか、彼は最後までしなかった。