天使の歌

「母さん!!」

ネスティは地に降り立つと、真っ直ぐに母の元へ向かった。

家の扉を乱暴に開け放ち。

「!!」

ネスティは驚愕に目を見開いた。

母の鳩尾 辺りから、真っ直ぐに伸びる、銀色の物。

それは、磨ぎ澄まされた剣だった。

「ねぇ、坊や。」

固まっているネスティの肩に、後ろから、誰かが手を置いた。

「混血(ハーフ)は何処?もし匿うなら……貴方も真っ赤にしてあげる。」

くすくすと笑う女。

彼女が、母を殺した。

頭では理解していて、仇を討とうと思うのに、ネスティは恐怖で動けなかった。
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