桜廻る


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高校2年になって、数ヶ月。


夏休みも近い時期だ。


いつまでこんな生活が続くのだろう……と考えながら、雅は帰り道を歩いていた。


車やバスの走行音が響いている。


それらを聞きながら、雅はコンビニへと入って行った。


買う物は既に決まっている。





「いらっしゃいませ~」





なんていう声を聞きながら、雅は真っ直ぐに、文房具が置いてある所へ向かった。


“それ”を1つ手に取ると、レジへ。


3分程で終わる買い物。


雅が買ったのは、ペンでも、消しゴムでもなく……カッターナイフだった。


これを買うのは日課。


なくなればまた、買いに来る。





「ありがとうございました~」





カッターを鞄に入れてコンビニを出ると、家へ向かったのだった。



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