桜廻る




「じゃあーよろしくねっ!」





ドサッと、手の上に重みが増す。


たくさんのノート。


また、雅は唇をかんだ。




この相手──。

上原杏奈。




杏奈が背中を向けると、雅は、それらのノートを鞄に突っ込む。



……早く帰ろう。



2年4組の教室を出る際、杏奈や他の女子たちの笑い声が、教室に響いていた。




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