桜廻る




「新政府軍の人ですよね?どうしてここに入ったんですか?誰を撃つつもりだったんですか?それにしては武器を持ってないようですが、もしかして間者として入ったんですか?
……正直に答えなければ、今すぐその首斬り落としますよ」





雅は恐怖で、体を縮める。


目は本気だが、男の顔色は悪い。


その時だった。





「騒がしいが、どうしたん……」





カラッと乾いた音を立てながら襖が開き、男が入ってくる。


……が、雅も、その入ってきた男も、目が合った途端に驚愕する。





「……!」





雅は刀を当てられている事も忘れ、入ってきた男を見た。


その男はちらりと雅を見るなり……刀を持ってる方の男に、視線を向ける。



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