桜廻る




「本当にありがとうございます。私、高木時尾(たかぎ ときお)といいます」



時尾の顔には、たくさん泥が付いていた。


苦しそうなのに……時尾は、明るい笑顔を見せた。


しかしその直後、ドォォンッ!と大きな大砲の音が聞こえてくる。


雅と時尾は、思わず空の方を見上げた。





「私の友達が……今、戦ってるんです」





時尾は、その方向を見ながら話した。





「友達……?」





(男だよね?もちろん)




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