桜廻る




その後……雅は、土方に呼び出されていた。





「お前、どうする」


「私は……。土方さんについて行きます」





迷わずそう答えた。


しかし。





「……いや。お前は斎藤とここに残れ」





その言葉に……体が凍りつくのが、分かった。


耳を疑う。





「何で、ですか」


「何でもだ」





気付けば、涙が出ていた。


思わず土方の腕を強く掴む。




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