桜廻る
「土方さん、おはようございま……え?」
台所から出ている、白い煙。
そこに、着物に着替え、フライパンと格闘している土方。
「わっ。ちょっと土方さん!」
「起きたか。
なかなか難しいな、未来の道具は」
「いいですから、私、やりますから!座ってて下さい!」
土方の眉間に皺が寄っている。
それに、何だか焦げ臭い。
横から覗いたフライパンの中には、真っ黒になった卵焼き。
「居候の身が何もしないわけにはいかないだろう。ほら、握り飯作っといた。学校とやらに、今日はこれを持っていけ」
きちっと三角形のお握り。
それは作り慣れているのか、二つ、綺麗にお皿に乗っていた。