桜廻る




時と命と、記憶……その他全てを支配する、時猫。


首には大きな鈴が一つと、小さな鈴が二つ。


それを横に揺らしながら、時猫は雅に近付いてきた。





「お久し振りです、桜川雅さん」


「……私を、現代に戻すんですか?」





そう聞くと、時猫は黙り込む。


不安になって、雅は時猫の側まで歩み寄った。


しかし……


時猫が突然、動き出したのだ。


不意の行動に雅は驚き、立ち止まる。




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