王に愛された女




 勝ったぞ…そうフィオーレは呟いた。

◇◆◇◆

 時は遡り――。

 川に飛び込んだフィオーレは水の底に見つけた山へ入って行った。

 山の中には洞窟があり、そこでは息ができた。

「さすがにここで息ができないと皆死んでしまうもんな」

 洞窟を奥へ進んでいくと、急に地面が揺れた。

「…なんだ!?」

 フィオーレは辺りを見回した。

 マグマが冷えて固まってできたような岩のツララが地面に落下して割れる。

 水中の地震だろうか?

 比較的小さいものだったのか、地震はやがて治まった。

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