王に愛された女
ルークはアリシアを睨んだ。
「話してやる前に、一つ問う」
アリシアの顔が一瞬強張る。
何を聞かれるかわかっているようだった。
「…そなた、十年前に言ったな。王と王妃が死んだ、と」
ルークは鋭い視線をアリシアに向けた。
「言いましたが、何か」
「嘘ではないのか?本当はまだ生きているのではないか?」
アリシアの顔が、はっきりと強張る。
「お、王様…?何をおっしゃるのですか…?」
「今日、オラシオンによく似た男に会った」
「え?」
ルークはアリシアに体を向けた。
「これは命令だ。本当のことを話せ」