王に愛された女
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オラシオンとガブリエルの家は質素な家だった。
レンガ造りの小さ目の家の庭で小さな少女がボールをついて遊んでいる。長い金髪を頭のてっぺんで一つに結わえられている。
「ねぇお父様!!」
少女が家の窓辺に走って行った。
「どうしたんだ、クリスティーヌ」
窓から顔を出したのは、緑の髪の男である。
「お父様、一緒に遊ぼう!!」
「わかった」
二人の会話が聞こえた。
「お母様も呼んで!!」
少女――クリスティーヌが嬉しそうに言う。
少しして、見覚えのあるシルエットが家から出てきた。
「…これで、満足しましたか?」