星月夜のマーメイド



私は愛媛県の離島で産まれ育ちました。


私の生家は、瀬戸内海が眼前に広がる小高い場所で果樹園を営んでいます。


小さな頃から5歳違いの兄と果樹園の手伝いをしてきました。


両親の作ったフルーツはとても美味しく、中でも柑橘系は甘くてみずみずしく、思い出すだけで口の中が爽やかな感じになるくらいです。


兄は果樹園を継ぐことを考えながらも、夢だったIT関係の職に就きたいと教授に相談。


教授に勧められてアメリカの大手企業に就職をしました。


その後、職場で知り合ったアメリカ人の女性と結婚。


今では2人の子供のパパさんです。


両親は寛大で、『自分の人生は自分で切り開け』と言ってくれたと後から兄が教えてくれました。


『だから愛恋も遠慮するな。まずは自分の人生を走ってみろ!』


そんな風に背中を押してくれたおかげで、長年の夢だった教職の道に進もうと決意できました。


行くからには東京に行けと言われ、兄の言う通り東京の大学に進みました。



そこで運命の出会いが待っていたのです。




先輩の佐々木宗司さん。





私の旦那さんです。
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