【短編集】ライン


ふと、準備室の扉を見ると、真っ暗な廊下に、中からの明かりが洩れていた。



「狭間さん、」


そういいながら扉を開けると、机に突っ伏した彼女がいた。




彼女は突っ伏したまま、僕に言った。




「一緒に帰ってあげる」



変な子だな、と思った。



「ありがとう」


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