ツンデレ彼女。
高坂はため息をつき、仕方なさそうに後ろ髪を掻く。
カラスの鳴く声が聞こえた。
聞きなれていて、それでいて消えそうな。
「うっし、やるか」
「.....今度は真面目にするから」
理恵は普段からは考えられない
温かい笑顔を向けた。
「....小宮、お前ホントはできてるじゃねーか」
「そんな事ないよ」
理恵は照れくさそうに呟く。
補修を初めてからしばらく経った頃、
理恵が消しゴムを肘に当てて落とした。
消しゴムは軽快に弾みながら転がる。
「んぉ、大丈夫か?」
「あっ、ごめん」
何に対して「大丈夫」なのかは分からないが理恵と高原は同時に消しゴムへ手をのばした。