猫かぶりの年下くん
高城くんにつれられて来たのは、人気のない階段だった。


「高城くん…話って…?」


ドキドキ…


「さっき教室から外見てたんだ…。じゃあ、立花さんが男と来てて…。」


み…見られてたの!?


「あいつって…立花さんの彼氏?」


下を向きながら話していた高城くんは顔をあげて真顔で言った。


しかもあたしの顔を見て…。


ドキドキ…


否定しなきゃ…!


「えっと…あの子は隣に住んでる中学生なの。」


あたしはシンプルに答えた。


「そう…。彼氏じゃないんだね。」


「うん。彼氏じゃないよ…?」


涼が彼氏だったら…考えるだけでなんか怖い…。


あれ…?


でもなんでそんなこと聞くんだろ…。


「高城くん…なんでそんなこと聞くの…?」


あたしは思いきって聞いてみた。


すると、高城くんはまた下を向いた。


「高城…くん?」


しばらく沈黙が続いた。


どうしたんだろ…。

「俺…かっこわる…。」


かっこわるい…?


「どうしたの?」


高城くんはかっこわるくなんかないよ…!


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