猫かぶりの年下くん
「俺…嫉妬してたんだ…。」


え…?


嫉妬…?


「だ…誰に?」


「あいつ…立花さんと一緒に来たやつ…。」


え…!?


りょ…涼!?


ドキドキ…


なんで涼に嫉妬するの…?


高城くん…!


「俺…立花さんが好きなんだ…。入学した時から…。」


そう言った高城くんの顔は赤かった。


「え!?」


高城くんが…あたしを…?


「『え!?』って…気づかなかった?」


高城くんは少し笑いながら言った。


あたしはうなずいた。


気づいてなかったよ…!


「俺と…付き合ってください。」


高城くんは真剣な顔をして言った。


「…よろしくお願いします…!」


「ほ…本当に…?」

コクン…


「やった!ありがとう!」


そう言って高城くんはあたしを抱きしめた。


あたし…今たぶん高城くんより絶対顔赤いと思う…。



あきらめようか悩んでいた恋が叶って…


幸せを噛みしめていた。


うれしすぎて忘れてたよ…。


あたしには涼という婚約者がいることを…。


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