嘘吐きなその唇で
え?全ては顔だって言いたいの?
顔が良ければ全てよし?
冗談じゃない。
ズズズズッと残りの野菜ジュースを飲み干し、眉をひそめながら雅哉を凝視する。
「……」
『……』
「……あまり見つめると襲うぞ?」
『……』
ニヒルな笑いを浮かべる雅哉を無表情で見つめ、それからゆっくり顔を窓の方へ向けた。
「え?まさかの無視!?ショックー」
『(心にもないことを…)』
ふぜけた口調で言った雅哉の笑い声が聞こえる。