嘘吐きなその唇で
『(は……?)』
状況を把握出来ていない私は、眉根を寄せて教壇の方に顔を向ける。
「すみません。俺の諸事情により、急遽斉藤先生の授業と交換していただきました」
眉の両端を下げて微笑む彼。
歓喜する生徒もいれば、「自習が良かった」と不満をこぼす生徒もいた。
けど、私はどちらでもない。
この完璧すぎる“先生”を厭悪(えんお)している。
嫌みなくらい端整な顔立ち。
性格は明るく爽やかで人懐っこくて?
もちろん女にモテて、その上同姓にも好かれ、生徒とも同僚とも上手くやっている彼。