♡祐雫の初恋♡

「ごめんくださいませ」

 祐雫は、深々とお辞儀をして、縁に腰かける。

 
 真夏の日差しが、縁の屋根に遮られつつも、

 祐雫に光を集めていた。


「婆さま、夏は、かき氷に限りますね。

 さぁ、祐雫さんも遠慮しないでどうぞ」

 千子の勧めるかき氷は、

 葡萄や桃、夏蜜柑などの果物で、彩られていた。


「はい。いただきます」

 祐雫は、美味しそうにかき氷を食べる慶志朗の姿に微笑むと、

 初対面の千子に笑顔を向けて、両手を合わせた。


「どうぞ、召し上がれ。

 産地から届いたばかりの果物でございますのよ。

 この通り、慶志朗さんは、型破りでございましょう。

 祐雫さんは、驚きの連続でございましょう」

 千子は、想像以上に可愛らしい祐雫に目を細めた。


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