♡祐雫の初恋♡

 慶志朗の母である嬉子(きこ)からは、

 好意的ではない話を聞かされていたのだが、

 可愛い孫の慶志朗が、初めて自分から連れて来た祐雫に、

 一目で好感を持ち、洗練された麗華や琳子とは、

 全く異なる新鮮な魅力を感じる。

  
 慶志朗の母親である嬉子は、一人息子の慶志朗の相手へ

 焼き餅を焼いているのかもしれないと、

 千子は、以前、嫁の嬉子へ感じた気持ちを思い出していた。


「はい。

 毎回、慶志朗さまには、驚かされてばかりにございます。

 千子さま、果物の酸味とシロップの甘みが相まって、

 美味しゅうございます。

 ことのほか涼しゅうなりました」

 祐雫は、穏やかな千子の微笑みに惹き込まれていた。


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