♡祐雫の初恋♡


「失礼いたします。

 奥さま、菱川さまがいらっしゃいました」

 希代が、奥の廊下の障子を開けて、千子へ声をかける。


「すぐに参ります。応接間へお通しして」

 千子は、希代に指図して、慶志朗と祐雫へゆったりと微笑む。


「慶志朗さん、お客さまとのお約束がございますが、

 しばらくゆっくりなさいませ。

 祐雫さん、後ほど、お昼をご一緒いたしましょう」


 千子は、祐雫に微笑むと奥の廊下へと消えた。

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