♡祐雫の初恋♡

「悩み事のない人間などいるのでしょうか。

 ぼくのことを過大評価し過ぎですよ。

 祐雫さんは、どのようなことで悩んでいるのですか」
 

 慶志朗は、柔らかな微笑みを祐雫に向ける。


「解けない数学の問題や家のお手伝いをいたしますと

 お勉強の時間が少なくなってしまうことでございます」


 祐雫は、何気なく本心を明かしてしまった自分に赤面して、

 口を押さえて黙り込む。

 慶志朗は、思わず大声を出して、腹の底から笑っていた。


 今までどこか違和感のあった祐雫ではなく、

 本質の祐雫に出逢えた気がした。


 そして、祐雫が自身にそれだけ打ち解けてくれたことを感じ、

 嬉しさが込み上げる。

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