奏でる場所~SecretMelody~
――コンコンッ


「先生。宮原です。陽輝君を連れてきました。」



「んー。入って入ってー」



「「失礼します。」」



…思ってたほど、深刻な話しじゃなさそうやな…



良かった…。



「よし、じゃあ、宮原、よろしく頼むー。」



「はい。」



…は…い?



え、なんで俺検査用の機械に乗せられてるん?



あれ?



先生からの話は?



…てか、ちゃくちゃくと検査進めれれてるんやけど…。



おーい!



なぜ、こんな事を?



「よしっ、終わったよ陽輝くん。先生、終わりました。」



「で、俺は何で、検査を受けてるんや?」



「えーっと、宮原、そっちの検査結果も見せてくれ。」



「え?無視?」



「あ、はい。これと――…」



「ん。…なるほどね。」



…完全的なフル無視やん。



俺、泣くぞ?



泣いちゃうぞ!?




「――ok。陽輝、検査の結果しばらく安静にしとったから、ちょっとマシになってるわ。」




「お、おぅ…?」



「って事で、1週間だけ、一時的な退院許可をだすわ。」



「え…まじ…?」



嘘やろ…?



めっちゃ嬉しいんやけど!!



「ただし。」



…ん?



「その一週間内になにも起こらなかったら様子をみて、本格的に退院、可。でも、もし、発作とかが起こった場合は、長期入院になる。」




…何も起こらなかったら…か。



今の状態じゃ、どーとも言われへんな…



急に出てくる発作。



止めようにも止められへん。




…はぁ…。



長期入院だけはいややな…



それじゃあ、あの昔に逆戻りやん。



それに…。



…。



「…ありがとう。チャンスくれて。」



「さすがに、陽輝の場合はどうしようもないからな。発作なんていつ起こるか分からんし。っちょっとの間の自由と思って、楽しむんやで?」



「おぅ!」



「だからといってはしゃぐなよ?」



「分かってるって。」




急に、表情変えられたら怖いって。




「じゃ、今日1日は我慢して、明日の朝、病室に行くから。」



「はーい。」



ちょっとの間の自由か…



俺は、この体に生まれた限り、ずっと、鎖で縛られ続けられるんや





…なぁ、神様?



俺はいつになったら自由になれますか?


















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