奏でる場所~SecretMelody~
―――――――――――


「奏!宙!」



急いで、宙の病室に向かった俺。



「あ、陽輝!どうだった?」



「どーしたの?ハルくん。」



2人が笑顔で向い入れる。



「あんな、明日から一週間だけ、退院許可が下りてん!!」



「え!ホント!?」



この一時的な退院、どーなるか分からんけど。




もし1日だけやたとしても…



縛られた生活から解放されると思うだけで、なんか…気分が楽になるんや。



俺、そんなけ、病院が嫌ってことやろーか?



「じゃあ、明後日から、一緒に学校にいけるな!」



「おぅ!!」



「いいなぁー…あたしなんて、まだまだだよー?」




あっ…そーやった…



なんか、一人で騒いで…



宙はまだ、退院出来ひんのに。




「大丈夫。きっと一週間も経たずに、俺病院生活に逆戻りやと思うから」



「へ?」



「どういう…」



「なんか、一週間の間に何か発作とかがでたら長期入院やねんて。」



「そー…なんだ…」



それを聞いた、奏と宙の顔も曇ったのが分る。



…2人も、無理って分かったんやろーな…



「…から。」



「え?なんて?奏…?」



「奏が守るから。陽輝は守られていろ!」



…それ、男の言うせりふや、奏。



ださいな、俺。



女子に…好きな人に守られるんか…



嫌じゃないけど…嫌やなー…



「…ありがとう…ごめん…。」



「仕方ないよ、ハルくん。あたしもなんにも出来ないけど、精いっぱい守るからね!」



「…ありがとう。」



二人とも、俺に向かって笑っている。



ははっ



ほんと、優しいな…奏。宙。



こんな弱い俺のために…



ほんま、ありがとうって心の底から思うよ。










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