奏でる場所~SecretMelody~
――――――ガチャ…


え…!?



もしかして、陽輝?



「あ…!!やっと会えたっ!俺、毎日来てたんですよー」



「あ…あはは…。ごめんなさい…ちょっと用事で忙しくて…」



「やっぱり?心配したわ!」



「…ありがとう」



…会いたかったよ、陽輝…。



でも、会うなら、“奏”がよかったな…




でも、仕方が無いよね…



陽輝は"私"を奏だと思っていない。



「なぁ、俺…どうしたらいいと思う…?」



「え?」



「告白されたんや…好きなひとに。」



…好きな…ひと?



陽輝は奏が好きだったのか…?



なら…どうして?



どうしてフったの?



「OK…したんでしょ…?」



「いや、フった…。」



「どうして…?」



「俺には…無理。無理なんや。



俺、その子を守れるほど強くないねん。



…こないだ起きた、阪下拓斗と岩波宙の事件。知ってる?



自分と付き合ってるせいで、好きなひとに迷惑がかかる。



そんな経験、俺もした事あるねん。」



嘘…



…陽輝も宙たちみたいな事があったのか!?



「昔な…"俺の性でこーなったからには、お前は俺が最後まで守り続ける"って言った。



でも、やっぱり俺、その子守られへんかった。



だって、俺喘息で、すぐに倒れる体やもん。



走る事も、抱っこする事も、ニケツする事もなんも出来ひんねんで?



情けないやろ?



たった一人愛した女すら守られへん男なんて、最悪最低野郎や。



・・・なぁ、俺、なんでこんなに弱いんやろーな?」



陽輝…



あなたはずっと1人で抱え込んで、こんなに心がボロボロになるまで耐えていたの…?



何も…知らなかったよ。



ただ、シンプルに奏の事が好きじゃないんだって。



そう思ってた。



ねぇ、私にも分けて?その痛み。



陽輝1人では荷が重すぎるよ。



毎日、自分自身と戦っていたんだね…。



神様はいじわるだ。



何で、陽輝なの?



陽輝ばかりを暗闇に陥れないでよ。



陽輝の病気が…どうしても避けられない運命だとしたら。



その苦しみを奏にも分けて?



1人で抱え込まないで。



奏は陽輝を愛したい…
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