奏でる場所~SecretMelody~
~陽輝side~


いつ、見ても奏の顔って整っているな…。



こいつ、こんなにいい性格だったっけ。



こいつ、こんなにいい香りしてたっけ。



こいつ、男勝りなくせして…



そして、俺はこんなにいつも…心臓が動いていたか?



これ、大丈夫なのかってぐらいに心臓がうるせー。



奏に聞こえていないのだろうか。



心配でたまらない。



「ん?顔が赤いぞ?次は熱か?」



「…ッ!!違うって!汗」



俺は勢いよく奏の太ももから頭を離す。



「…?まぁいいや。もー大丈夫?」



「あ、うん!ごめん…ありがとーな!」



「いえいえ。さて、次ゎ――――」



パンフレットを広げるその姿だけにも心臓が高鳴る。



さらっと髪の毛をかきあげる仕草。



あ、そーいえば今日の奏髪の毛おろしてるじゃん…。



服、似あってるな…



…。



そうか、俺…。



こいつが…好きなんだ…。



奏に片思いしてるんだ…。
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