奏でる場所~SecretMelody~
「陽輝!!これこれッ!これに乗りたい♪」



キャッキャッとはしゃぎまわる奏。



こういうところ、女やな。



俺の手をぐっと掴み、走り出す。



でも、俺の体に気をつけてくれているのか、ゆっくりめ。



「はいはい。いこっか。」



そう言いながら、10分待ちの列へと並ぶ。



「なぁ、陽輝?行きたい所言っていいんだぞ?」



「うーん…そーいわれても、行きたいところなぁー…あ!」



「ん!?」



そーや。



テレビとか見てずーと行きたいなー思ってたところ、あったなぁ笑



まぁ、絶叫系やけど…♪


「じゃあ、次俺の行きたい所行ってくれへん?」



「了解!!どこだ?」



「さーね?笑」



ふふふ…奏の反応が楽しみや!



――――――――――――――――


「なぁ…陽輝、やっぱ止めないか…?」



「え?何が?」



「い…いやッ…そのだな…ここはちょっと…な?汗」



「いいやん。入ろうや!笑」



そういいながらずかずか進み、扉を開く。



「でも…さすがに“お化け屋敷”は…」



そう。俺が行きたかったのはお化け屋敷。



そして、見たかったのは貴重な奏の怖がる顔。



「じゃあバラバラでいこか。ばいばーい」



「え?!ま…待て!奏も一緒に行くー!!」



ふ。作戦成功!!



奏は俺の腕を痛いほどがっしりと掴む。



「じゃ、行くで?」



「う…うん。」





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