奏でる場所~SecretMelody~
「ぎゃあぁあぁあぁあぁああぁぁぁああああ!!!」



あーうるさい。



ちょっと水が垂れて来ただけで、これ。



奏は性格上では、強いのに…。



俺なんか、初めてお化け屋敷入るのにさー。



そんなことを考えてると、いきなり、ゾンビが現れた。



「うわッ!ビックリしたー…!よー出来てますねー!」



「…ありがとうございます…。」



あ、こんな声なんや。



男の人ね。笑



「なぁ?奏、いけるかー?」



そう思って横を見る。



…あれ?奏?



「う…ぅぅ…グスッ…」



…まじ?



視線をス―ッと下におろすと、足元で奏が座り込んでいる。



「奏さーん。」



「グス…ぅぅ…はりゅきぃー…ぅー…うわぁーーーーん!」



キャラ崩壊した!!



て…てかどーしよ…



俺はしゃがみ込み奏の涙を拭う。



「大丈夫か?」



まさか、ココまでお化け屋敷が嫌いやったとは…



しゃがんでいる、奏の膝に手を入れ、腰を支え持ち上げる。



そして俺は奏をお姫様抱っこしたまま小走りでお化け屋敷を出た。
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