籠の中
 煙草に火を点けた。もう、それなしでは生きていけないように身体が煙草を求めていた。ゆっくりと、深く、落ち着いて吸ってみた。目の前に女性がいるからか、食後の後だからか知れないが、心地よい時の流れを感じた。彼女をよく見ると、矯正中のファッションモデルのような規則正しい姿勢でチーズケーキをフォークで均等に切りながら食べていた。それが決められた習慣のように、破れないルールのように、生まれつきのように。
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