籠の中
 僕は思い出した。希もハンバーグ、ケーキ、ステーキなどを均等に切るのが好きだった。
「均等が好きなの。そこに平等性があるから」
 その記憶が深淵から浮上してきた。
 僕は意識を戻した。
 彼女は均等に切り分けたチーズケーキを美味しそうに頬張っていた。歯と顎を小刻みに動かしリズムよく左右の奥歯を均等に使ってるのが伺えた。僕はそれを確認し煙草を揉み消した。指先に力を込め灰皿に短くなった煙草を押し付けた際、灰が指に付着した。それを紙おしぼりで拭った。
< 133 / 203 >

この作品をシェア

pagetop