籠の中
 僕らは、裸で汗だくになり肉体をたしかめ堪能し合った。あらゆる物事がどうでもよくなり、あらゆる出来事を忘れ、あらゆる記憶が薄れていった。流れていた曲は終わりを告げ、僕らも朽ち果てた。
 僕は濃密な時間を過ごし、徐々に彼女の深みにはまっていた。深みという名の熱帯雨林ひしめくジャングルを僕は彷徨い歩いていた。司法試験の勉強にも大学生活にも支障をきたした。一緒にいないと落ち着かない状況に陥っていた。
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