籠の中
 葬式が終わり、遺影を眺めていたら希が近づいてくる気配があった。喪服に身を包んだ彼女は、暗い陰などなく色気の光が蹂躙していた。そんな彼女は、僕の肩に手を置き、
「親は、いつか死ぬのね。遅かれ早かれ」
 彼女は物思いに耽っている表情をし、遺影を見つめた。
< 85 / 203 >

この作品をシェア

pagetop