あの子
side かいくん





右手が熱い。

髪の毛先から、水が落ちる。

それは雨なのか、汗なのか。

俺にはもう分からなかった。



ひよりを叩いても、こいつは顔色一つ変えない。

小学校のころから、監督に嫌でも叩かれてたからな。

けど、予想外の事が起こった。



―――バッチーン!!!!


「ってぇ!!!!」




は?え?

今度は、左頬が熱い。


ひよりの右手も、赤い。





「うっさい!!かいくんだって、あたしを困らせるくせに!!!!」




いつ、俺がおまえを?







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