俺様と闘う私『一部・完』
 そしてようやく因縁の彼をまじまじ見てみれば。


 ちょっと明るめの茶色い髪に身長は170センチくらいだろうか?


 今日の私より少し高いくらいで。


 でもニコッと笑う顔がやけに愛嬌があって、好感が持てる感じだ。



 年は……私と同じくらい?


 ってことは、弁護士さんじゃない? のかなぁ?



 なんて思いながらジッと見ると



 「美味しかった? アレ」



 私が喉を詰まらせてえらい目にあわせてくれた、かのリッツ様を指さしてニヤニヤされた。



 「えぇ、まぁ」

 「ふうん。あれ、人気だもんね」

 「う、あ、うん。だね」

 「好きなんだ、アレ」

 「え、うん、ま、まあ……」



 なぜか知ったかぶってしまった手前、引くに引けなくなってごまかしながら相槌を打った。



 するとまたしても



 「ぷっ、ククッ! もう、知らないなら知らないって言ってよ!」



 笑いながらそう言われてしまった。
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