俺様と闘う私『一部・完』
 ただそっと、右手を差し出して手を握る。


 温かいのは生きている証拠で。



 久しぶりに握った母の手に、年を感じた―――


 「では、いくつか質問させていただきますね。まずは、身上から……」



 私達の心構え云々に関わらず、訥々(とつとつ)と質問が始められる。



 こんなことしたって、おばあちゃんが帰ってくるわけじゃないのに……と思いながら。


 泣き伏せたい思考を留めざるをえないほど、いろいろな質問が続けられる。


 おばあちゃんの今日の様子とか、普段の様子とか。


 それでも答えるのが精いっぱいで、聞かれている内容なんて素通り。


 深く考えることもできないまま、母が言えることは母が、喋れなくなったら私が……といった感じで話が続いた。



 けれど



 「最後に、一応お聞きしたいのですが」



 少し険しい表情を浮かべて、年配の刑事さんは



 「お姑さんとのご関係は良好でしたか?」



 と聞いてきた。



 私はこの質問が信じられなくて、ガタンと立ち上がった。



 一瞬でブチ切れた。

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