俺様と闘う私『一部・完』
 「昨日の服と、あと姉からコレ」



 袋に綺麗に入っていたのは、たしかに私の服と鞄。


 そしてお姉さんからと渡されたのは―――



 「あ……」



 昨日入れてくれたハーブティーのティーバッグ。


 私が美味しいって言ったからだ。


 可愛らしい一筆箋に『ゆっくり体を休めてね』とだけ書かれていた。


 あれこれ書かれているよりもずっと気遣いを感じる。



 「お姉さんにありがとって伝えてね?」

 「んなこと、自分で言え」

 「なっ! い、言うけどさーー!!」

 「じゃあそれでいいだろ」



 必要以上に私を労るとか、そういう気は一切ない志貴。


 まぁそれが志貴なんだけどさ!?


 ちょーっとはいいじゃんかっ、とも思うわけで。



 はぁ……



 「で、本題なんだが」



 と切り出したところで、お母さんが



 「はぁいー、お待たせ」



 コーヒーカップ3つをお盆に乗せて現れた。



 3つ……


 母はどうやら同席する気満々らしい。


 私はため息をつきたい気持ちを押さえて



 「ありがとう」



 と言った。


 もちろん志貴は



 「お気遣い頂きすみません。押し掛けただけなのに」



 とかなんとか殊勝なことを言っていて、吐き気がしそうだけど。



 何時間もなにも口にしていなかったせいか、広がったコーヒーの苦味がやたらと口中に広がった。
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