俺様と闘う私『一部・完』
 いや、そりゃあ昨日のパーティーみたいなのにも連れて行かれたから、志貴が弁護士だってことは十分に分かってた。



 でも、でもね?



 あの俺様の志貴が、ここまで低姿勢で、しかもやらせてくれってそんなこと、言う?



 普段の志貴なら全く想像できない事態。



 それが今、目の前で繰り広げられてる……みたいな。


 「それは、どういうことですか?」



 いつものように、はっちゃけた感じでも、昨日みたいにどんよりとしたわけでも、ましてや取り乱しているわけでもなく、ただジッと志貴を見据えた母がそこに居た。


 何かを……見極めてやろう。


 そんな意思を持った、母が。



 その母にドキリとして志貴を見ると、志貴もいつにない真剣な表情で。



 私一人アホ面みたいだ……って思ったら、置いてけぼりを食った感じがして、きゅっと顔を引き締めた。
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