俺様と闘う私『一部・完』
 「ところで、このお話。渡辺さんには利益があるの? それとも弁護士費用を請求するおつもりでお話をされてる?」


 やんわりとだけど、的確な疑問をずばりとぶつける母。



 こ、恐い……



 「いえ、お金を要求なんて毛頭考えておりません」



 さらに困った風な志貴。



 そんなこと言われたら腹がたつんじゃないの?



 って思うのに、それどころか困った顔。



 なぜ―――?



 「じゃあ、お話してくれます? どうして、うちなんかのことに首を突っ込みたいのか」

 「そう、聞かれる気がしてました……あー、でも……」

 「理香? 困る?」




 私を見つめて母がそう言うと




 「いえ、少し恥ずかしいだけです」

 「ふふっ、じゃあいいお話ね?」



 クスリと笑って母は、身を乗り出すように志貴の話を聞く態勢に入った。





 ……って、恥ずかしい話ってなんなわけ!?
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