俺様と闘う私『一部・完』
 祈りを込めながら通い、そうやって一月くらい過ぎたころだった。

 
 居ないのが当然になりつつあったその日。


 嬉しそうに商品を受け取ってくれる渡辺さんから、いつもとは違うことを言われた。



 「御堂さん、今日は伝言があるの、あの子から」

 「……え?」



 それは、予想もしていない言葉だったから、『あの子』と言う単語が『志貴』を指しているのを理解した瞬間、体がざわざわして心臓がドクドク鳴った。



 「今日の2時、駅前の喫茶店に来い。ですって……偉そうな子でごめんなさいね?」



 偉そうだと思うなら、そのまま伝えなきゃイイのに……とか、いつもなら思うんだけれど。

 
 そんなことを考える余裕もないくらいに心臓がドクドクと音を立てて、血液を送り出していた。



 「御堂さん?」



 返事をしない私に不安そうに顔を覗き込みながら声をかける渡辺さん。



 その声にハッとして



 「すみませんっ。分かり、ました。ありがとうございます」



 丁寧にお辞儀をして、お礼を言った。
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