俺様と闘う私『一部・完』
 2時、駅前、喫茶店―――




 ドキドキする心臓をグッと服の上から押さえて、伝言を反芻した。


 その伝言の真意は分からないままに、私は震える手でエレベータのボタンを押した。

 


 あと4時間半後……



 志貴は、何を見せてくれるんだろうか?
 


 ――――――



 ドキドキする気持ちを隠せないままに約束の時間、駅前に向かった。
 


 今までなら午後の外出なんて出来なかった。




 おばあちゃんが、居たから。




 でも出来るってことは、おばあちゃんがいないってことなんだな……



 なんてそんなことを感じるたび、切ない気持ちがこみ上げる。



 誰もいない家に向かって「行ってきます」と言うと、悲しさに涙が滲んだ。
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