澄んだ空の下で
…怒ってんの?
当たり前でしょ。
怒ってると言うよりも、サエコを信用したくない。
もう、係わりたくないんだよ。
あたしは、本気でサエコと親友だと思ってた。
なのに、それを裏切ったのはサエコでしょ?
今更、何言ってんの?
「…怒ってないから」
背を向けたままサエコにそう小さく呟く。
ここで言い合ったって、何にもないから。
「じゃ、もう一回やり直そうよ。…ね?」
駆け寄ったサエコはあたしの肩に手を添えて、あたしを見つめる。
…ってか、何でそうなるの?
サエコは、あたしを必要としてない。
してるのは、恭なんじゃないの?
恭と居るあたしでしょ?
そんなの、ゴメンだよ。
「…ごめん、サエコ。前に言った言葉に変わりはないから」
肩に置かれた手をスッと払うと、サエコのため息が微かに聞こえる。
そんな、サエコにこれ以上口を開く事もなく、あたしは止めていた足を再び動かした。